投稿日:2020-11-11 Wed
斬新なドレスを作ったお針子のもとに、さる高貴な方から住み込みで専属のお針子になってほしいと依頼があります。
行ってみると、なんと、相手は女性ではなく、王子様!
強い王であらねばという男らしさの規範に、
王子は女性の服が着たい気持ちを押し殺していたのでした。
王子の理解者となったお針子と王子の間に、
やがて恋がめばえ……?
The Children’s and Teen Choice Book Awards 2019年ティーン部門の
受賞作です。全ページ、カラーのグラフィック・ノベル(漫画)。
紙の本(ペーパーバック)にリンクしておきますが、Kindle版もあります。
ジェンダーフリーの物語、働く女性の物語でありながら、昔ながらの
王子と町の娘との困難な恋というシンデレラの枠組みでもあり、
新しさと古さが混ざる秀逸な設定です。
これ、ディズニーが映画化したらいいのに。
と思ったら、アナ雪のスタッフで映画化の話があるそうです。
Jen Wang’s THE PRINCE AND THE DRESSMAKER to become a movie musical from the FROZEN team

読みやすさレベル5
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14:51:05 |
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投稿日:2017-12-27 Wed
カズオ・イシグロさん、ノーベル文学賞受賞おめでとうございます!(遅い?)ということで、読みました。
The Remains of the Day
Kazuo Ishiguro

老いをむかえた執事が、
イギリスの美しい景色の中を
車で旅する、一人称の小説です。
dignity の美学にこだわる執事。
いいね、いいねえ。
映画のアンソニー・ホプキンスも、よかったよね!
信頼できない語り手(unreliable narrator)と言いますが、
独り語りの言葉を、文字通りに受け取ってはいけない。
この人、美しい言葉を重ねて、気持ちをごまかしているなあ
と思いながら読みました。
「好き」って言っちゃえよ、みたいな。
("Nate The Great" の感想と同じになるのは、どうしたことか)
人は「私が知っている私」だけではない。
自分のいたお屋敷の中の世界から、外の世界を旅して、
「他の人からみた私」が見えてくるのか、こないのか……。
★★★★★
読みやすさレベル7~8
70103 語
執事らしい丁寧な、ということは、やや息の長い文。
ダーッと読めると気持ちいです。
反省点: ダウントン・アビーをもっと観てから読めばよかった。

読みやすさレベル7
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17:06:33 |
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投稿日:2017-10-10 Tue
ジブリの名作ラピュタの、小鳥を肩にのせ花に水をあげるロボットを思い出しました。
The Wild Robot
Peter Brown

新品のロボットが無人島に漂着し,
そこで「生きて」いきます。
まわりの動物には
怪物とよばれ、
「野性」をロボットは学び……、
そして、ロボットは「母」になります。
ロボットなのに、「野性」って面白いでしょ。
あまり知らないで読むほうが面白いと思うので、
これ以上は語りません。
「母」になると書いたけど、人間の母ではないですよ、とそれだけ。
このロボットが起動して、世界を発見していくまなざしが、
子どもが初めて目をあけて、この世界のことわりをつかんでいく
過程そのもので、その子どもの目がいいんです!
Sense of Wonder って、これだよね。
★★★★★
レベル5
35,019 語
一つ一つの章が 2 ページくらいなので、
分厚い本がさくさく進む達成感があります。
Hatchet より読みやすい。
続編 The Wild Robot Escapes は、来年 2018 年 3 月発売予定です。
The Wild Robot Escapes
Peter Brown


洋書多読情報
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20:29:24 |
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投稿日:2017-09-10 Sun
プリンセス・マグノリアは、ピンクの完璧なお姫様。しかし、その実態は……
モンスター警報が鳴ると、黒い衣装に身を包み、
さっそうと愛馬にまたがるプリンセス・イン・ブラックなのだ!!
The Princess in Black
Shannon Hale Dean Hale LeUyen Pham

今日は、公爵夫人をまねいて、お茶。
ところが、この公爵夫人は、
ひとの家の中を見て、
ひとの隠し事を見つけるのが
大好きなんだって。
そんなときに、モンスター警報が!
バレずに帰って来ることができるのか……!?
★★★★★
レベル2
2079 語
全ページ、フルカラー。
チャプター・ブック(章立ての本)ですが、ほぼ絵本。
絵本からチャプター・ブックへ進む、橋渡しのレベルです。
健康的に、やせすぎではない、お姫様。
ちょっとね、バットマンみたいな感じ。
こういう本がアメリカにはあるんだなあ。

読みやすさレベル2
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11:02:51 |
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投稿日:2016-10-05 Wed
Rainbow Magic を思い出しました!Shadow Woods. Linda Chapman and Lee Weatherly (Sophie and the Shadow Woods)
Linda Chapman

ソフィーは、テコンドーを習っている女の子。
なぜか、おじいさんは、双子のかたわれの
男の子のほうばかり可愛がっています。
しかし、10 歳の誕生日、実は、
魔物から世界を守る闇の門番の
不思議な力が、ソフィーにあるとわかります。
(男の子のほうではなく)
はたして、ゴブリンたちから、門を守ることができるのか!
★★★★★
語数: たぶん 5000 語くらい
読みやすさレベル: 4までいかないけど、
3と紹介したら地獄をみるレベル
(3から4への橋渡し)
宝石が 6 個出てくるので、 6 巻完結と思われます(たぶん)。
多読の教室などでは、買わなくていいんじゃないかな。
表紙の絵がびみょうなので、中高生は手に取らなさそう。
わたしは、サクサク読んで面白かったので、
★ 5 つつけました。
けっこうアクションものです。
作者の Linda Chapman は、別のペンネームで Heartland や
Rainbow Magic シリーズの数冊を書いている方です。

読みやすさレベル4
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12:55:02 |
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投稿日:2016-07-04 Mon
コメディーかと思って油断していたら、けっこう泣かされました。阿部サダヲ、いい役者だねえ。
映画の日(1日)に、父をつれて映画を観てきたのです。
公式サイト:殿、利息でござる!
仙台藩の実話です。
町に課せられた重い税に苦しむ百姓が、
お上にお金を貸して利息をとれば、
町の負担が楽になる、と思いつきます。
そこから賛同者をつのり、上へ上へと話を通し、
しかし、一筋縄ではいかず……
と、サラリーマンには身につまされるようではありませんか。
大金を出しても利益はすべて町のため、
しかし良いことをしたと偉そうになってはいけない、
子々孫々まで慎むべし、という教えを守り、
この話は最近まで知られていなかったのだそうです。
いい映画でした。

映画・ドラマ・ビデオ
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09:57:46 |
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投稿日:2016-06-11 Sat
イギリス人の児童書の作家さんですが、この方、別のペンネームで Rainbow Magic シリーズを書いているのです。
(タドキストに人気のあの!)
知らなかったのですが、Rainbow Magic シリーズは、
Daisy Meadows というペンネームで、複数の作家さんが
書いているのだそうです。
各巻の "Special Thanks to" と書いてあるところが
担当した作家さんのお名前なんですって。
そして、この方、Lauren Brooke のペンネームで
Heartland シリーズを書いているんです。
(タドキストに人気の、あの!!)
……ということが、ウィキペディアにのっていて、
狂喜乱舞する気持ち、わかっていただけます?
https://en.wikipedia.org/wiki/Linda_Chapman
リンダ・チャップマンさんのホームページはこちらです。
http://www.lindachapmanauthor.co.uk/index.php
私が読んだのは、Best Friends Bakery シリーズです。
心あたたまる、いいシリーズでしたよ。
Sugar and Spice (Best Friends' Bakery)
Linda Chapman Kate Hindley


洋書多読情報
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10:06:19 |
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よもやま日記
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09:13:42 |
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投稿日:2016-05-05 Thu
英語と日本語でコミュニケーション・ギャップをおこす表現ナンバー・ワンと思っております。
外国人に、なにかを教えてあげようとして "You'd better ...." と言ったら、
相手が怒りだし、かなり理屈っぽいことを言われて
すごーく気まずくなるわ、言うこと聞かなくて困るわ、
ってことありませんか。
私はあります。それも何度も(爆)。
どうもこの表現は相手を怒らすようだと経験していたのですが
長い間、理由がわかりませんでした。
理由がわからないので、うっかりするとまた使ってしまうこともありました。
あるとき、やさしい英語の多読をしていて、今までの経験とむすびつき、
急にビビビ!とひらめいたので書いておきます。
ヒントを書いておくと、better は常に 2 つのことを比べている、です。
(英語を日本語の訳をとおして勉強しないで、
英語を英語として吸収してきたひとには、あたり前の話かも…… ^^;)

“英語でYou had better.... と言うと外国人が怒る理由: 日本的「~したほうがいい」との違い(betterは常に2つのものを比べているから)”の続きを読む>>
多読的英語ネタ
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16:11:02 |
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投稿日:2016-04-29 Fri
ミステリーに贈られるエドガー賞が発表になりました。エドガー賞を受賞した作品は、さすがの面白さなので、
毎年、どんな本が選ばれるのか、わくわくします。
公式: http://www.theedgars.com/nominees.html
Best Novel
Let Me Die in His Footsteps: A Novel
Lori Roy

それから、短編部門で、キング先生の "The Bazaar of Bad Dreams" に
収録されている 'Obits' が受賞しました。うむむ、気になる……。
The Bazaar of Bad Dreams: Stories
Stephen King

そして、児童書の受賞作は、こちら。
Footer Davis Probably Is Crazy
Susan Vaught Jennifer Black Reinhardt

コミカルな感じで、女の子が主人公、
アメリカの南部が舞台。
近所の農場の火災の放火犯をつきとめる。
RL(Reading Level) 5.3 ですから
小学校 5 年生向けの英語ですね。
語数 44,453 語
ここでは、3 つだけ取り上げましたが、
エドガー賞にはいろいろな部門があるので、
公式サイトもチェックしてみてください。

洋書多読情報
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23:32:37 |
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